うつ病・線維筋痛症候群の専門医・外来診療|治療・克服

線維筋痛症の治療|クリニックハイジーアから線維筋痛症って、治るの?

維筋痛症は、標準的な検査データで診てもとくに異常な所見は見当たらず、ただ激しい痛みだけが続く「原因不明」の難病と云われています。

線維筋痛症の患者さまは、理由もわからず、その痛みに苦しんでいらっしゃいます。 消炎鎮痛剤などの痛み止めも効かないので、ただ耐えるしかなく、また寝たきり生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。

線維筋痛症という病態を根本から改善し、本来の元気(健康)をとりもどすためには、まずその病態の原因を見つけ出し、原因に即した治療をすることがとても大切です。

そのような線維筋痛症の患者さんの症状の原因を追究していくと、著しい栄養欠損や甲状腺機能低下などのホルモンバランスの乱れ、感染症、食物アレルギーやビタミンD血中濃度の低下、酸化ストレスなど、多岐にわたる原因が見つかります。
このように、線維筋痛症という症状を引き起こしている「真の原因」が究明できれば、症状の根本的な改善につなげることができます。

線維筋痛症は、リウマチ疾患の一つと分類されていますが、発症の直接の引き金は生体恒常性(ホメオスターシス)の乱れからくる代謝異常がベースに存在し、その結果、抹消血流の低下や鎮痛作用の低下などの種々の要因が積み重なり、発症すると考えられます。

人間の体内では生体恒常性(ホメオスターシス)という生命を維持するための様々な機能がつねに働いており、体内の種々の条件がある一定の範囲で安定するように保たれています。
ほとんどすべての病気は、このホメオスターシスが乱れることからはじまります。
線維筋痛症は、このホメオスターシスがある一定のパターンで著しく乱れた結果、引き起こされる病態といえます。

線維筋痛症の患者様は、このような代謝異常をベースに、多種多様な要因をあわせ持っている方が少なくありません。

各項目をクリックすると、その項目にジャンプします。

このように、じつに多種多様な原因が、生化学的な代謝異常を背景にして線維筋痛症を引き起こしている可能性があるのです。
線維筋痛症という病態の真の原因を知って、初めて適切な治療が可能となり、患者さんは納得し、安心して治療に専念できるのです。

栄養失調にともなう代謝異常

験上、線維筋痛症の患者様では栄養状態の優れない方が多いです。
食事をしていても栄養素が不足している状態のことを、私は「隠れ栄養失調」と呼んでいますが、この隠れ栄養失調は意外なようですが現代人に多く見られ、「現代型栄養失調」といいかえることもできます。
現代型栄養失調は免疫力や治癒力の低下、種々のホルモン分泌低下をまねき、線維筋痛症を発症する原因となります。
そしてさらにいったん線維筋痛症を発症すると、体調不良のため健康によい食事をとることが難しくなり、加速度的に栄養失調が進行します。

例えば線維筋痛症によく合併する疾患として「むずむず脚症候群」がありますが、これはその名のとおり下肢のむずむずした感覚、しびれ、かゆみ、虫が這っている様な感じ、痛みなどを訴える病気です。
むずむず脚症候群の患者様は、フェリチン値(貯蔵鉄)が低値であること、すなわち鉄欠乏状態であることが多いことが知られています。

また、線維筋痛症の症状として「慢性疲労」を訴える患者様が非常に多いですが、疲労の原因のひとつにはエネルギーを作るための栄養素、すなわちビタミンB群やビタミンC、鉄などの栄養素が不足していることがあげられます。
このような栄養素の不足も、線維筋痛症の患者様で多くみられるものです。

このため、線維筋痛症は分子整合栄養医学に基づく栄養療法が非常に有効な疾患のひとつといえます。

残念ながらこの事実は現代医学的にはまったくといっていいほど無視されていますが、私の経験からいえば、栄養欠損を無視してはどんな薬物治療も有効に働きません。
治療レベルの栄養素の処方を行えば、より短期間で症状が改善することが期待できます。

分子整合栄養医学とは、まだ日本では耳慣れない治療法ですが、いわゆる民間療法とはちがい、医学的かつ生化学的な根拠にもとづいており、現代医学では治療が難しい病気の分野などで世界的にも注目を浴びている治療法です。
具体的には治療レベルの栄養素(ドクターユースオンリーの治療用サプリメントを用いる)を利用します。

分子整合栄養医学は、「よい食事をすること」とも、「市販されているサプリメントを適当に摂取すること」とも、まったく異なるものです。

分子整合栄養医学の概念は、「体を作っている『分子の異常』が病気を引き起こす」という考えに基づいています。
人体を形作っている60兆個の細胞は、もとはといえばすべて「分子」から作られています。その分子の異常が、細胞の機能異常を引き起こし、その結果として病気が起こるのです。
病気を根本的に治癒させるためには、この「分子の異常を整える」ことが必要となります。

ではそもそもこの分子は何からできているのでしょうか?
いうまでもなくこの分子とは、私たちが口にする栄養素からできています。

ということは、分子のもとである栄養素を至適量(適切な量)摂取することで、分子の異常を整えることが、すなわち治療となるのです(=分子整合栄養医学)。

分子を整えるために重要なことは、用いる栄養素の「量」です。
例えば、老人性白内障という目が見えづらくなる病気がありますが、これは眼の水晶体のタン白質が酸化変性することにより起こります。
タン白質の酸化変性という「分子の異常」を整えることは、厚生労働省の定める毎日100mgというビタミンCの量では不可能であり、人間ではミリグラムではなく、毎日グラム単位のビタミンCが必要になります。
栄養素の量が不十分な場合、「分子を整える」ことができないため、効果は期待できません。
現実的にはグラム単位のビタミンCを食事のみから毎日摂取することは不可能であるため、
至適量のサプリメントが必要になります。

分子整合栄養医学に基づく栄養療法は、その安全性が世界的にも認められており、より自然な治療法として多くの国で臨床医が実践しています。

私の経験では、線維筋痛症の患者様は全員が栄養失調です。
栄養失調を放置しては本来の健康の回復は望めません。
このため当院では、分子整合栄養医学に基づく栄養療法を、線維筋痛症治療のベースとしています。
そこへ他のいろいろな原因にあわせた治療を組み合わせ、総合的な治療を行っております。

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種々のホルモンの分泌低下

メリカの臨床医の報告や、私個人の臨床経験においても、慢性疾患を抱える患者様の多くは同年齢の健康人にくらべ、ホルモンを充分に分泌できていないことが多いことがわかっています。 
線維筋痛症を治療して本来の健康をとりもどすためには、ホルモンの分泌機能を正常に回復させることがとても大切です。

線維筋痛症の患者様の多くは、何らかのホルモン分泌低下があります。
例えば、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌低下があると、炎症や痛みの抑制がうまくいかなくなり、様々な症状を引き起こします。

ホルモンとは、体内の数種の内分泌腺より分泌され、微量ながら全身に影響を与える物質の総称であり、自律神経とともに全身の生体恒常性(ホメオスターシス)の維持を行っている、とても重要な物質です。
正常な生命活動には、これらのホルモンが正常に分泌され機能していることが必要不可欠なのです。
自然なホルモンには老化を抑制する効果があり、ホルモンの分泌量が低下すると、創傷や病気の治癒力が低下します。また、免疫系もうまく機能しなくなります。 
このように、健康の維持や、いうまでもなく線維筋痛症のような慢性疾患の治療のためには、全身のホルモンシステムがしっかり機能していることが重要です。

しかし、ホルモン分泌が低下している時に、人工的に化学合成された「ホルモン剤」を使うことは、かえって望ましくない効果を引き起こす可能性があります。

ホルモン剤(人工合成されたホルモン)と自然なホルモン

多くの患者様は、例えばステロイド(ホルモン)というと「ステロイド剤」というように、ホルモンというと「ホルモン剤」をイメージされる方がほとんどではないのでしょうか?

例えば、リウマチ性疾患の場合にはプレドニンなどのステロイド剤を処方されることも多く、「ステロイド」という言葉を聞いただけで、拒否反応を覚える患者様は少なくありません。

しかしよくご理解いただきたいことは、私たちの体が自然につくりだしているホルモンは、体内での様々な重要な生理活動をコントロールする働きをしている、という事実です。
ですから、ホルモンは本来健康維持に必要不可欠な物質であり、おそろしいものでは決してないということです。

そしてそのような大切なホルモンが不足していることが、症状や病態の原因である場合は、その不足を補うことがすなわち根本的な治療となるのです。

しかしここで重要なことは、これは日本ではまだあまり知られていないことですが、現在ある治療として使えるホルモンには、大きくわけると2種類あるということです。

それは、自然なホルモンと、人工合成された「ホルモン剤」です。

例として、私たちの体が自然につくりだしている「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と、人工合成された「プロベラ(酢酸メドロキシプロゲステロン)」があります。プロベラは更年期障害の女性ホルモン補充療法などでよく使われる「黄体ホルモン剤」です。
関節リウマチなどの治療には「ステロイド剤」であるプレドニゾロンなどの人工合成ホルモンを使用しますし、甲状腺ホルモン剤としてはレボチロキシンなどが有名です。

このように、現在の日本の保険診療の範囲内で使用できるホルモンは、そのほとんどが人工の合成ホルモン、いわゆる「ホルモン剤」です。
これらは一見似てはいますが、体内に入った時に及ぼす作用は大きく違います。

このような人工合成されたホルモンは「ホルモン剤」であり、私たちの体内で自然につくられるホルモンとは違った化学構造を持っています。
人工合成ホルモンは、人間が科学的に手を加えてつくり出した「製品」なのです。

本来ホルモンは、体内で「鍵」と「鍵穴」のように働きます。それぞれの分泌腺(ホルモンを分泌する器官)よりホルモン(鍵)が分泌され、血液の流れにのって、体内の細胞の表面(または核)にある受容体(鍵穴)に届けられます。そして、「鍵」が「鍵穴」にぴったりとはまる、すなわちホルモンが受容体に結びつくことで、細胞に情報を伝え、体内に自然な化学反応を起こしているのです。

しかし現代医学において標準的に治療に使用される人工合成された「ホルモン剤」は、本来人間の体が作りだすホルモンとは違った鍵の形をしているために、厳密には体内の「鍵穴」(受容体)にぴったりと結びつくことができません。このため、本来のホルモンが持っている働きとは異なる作用を、人体に及ぼしてしまうのです。
また受容体と結びついて体内に残存する時間が長いため、自然なホルモンよりも長期間作用し続けることになり、これも予測不能な結果をまねくことになります。
このために、人工合成のホルモンはつねに副作用の問題をともなってしまうのです。

それに対して自然なホルモンは、自然な動植物から天然成分を抽出してつくられているか、または合成であっても自然なホルモンとまったく同じ化学構造を持っています。
人間の体内にあるホルモンと同じ化学構造(同じ鍵の形)をしていますから、体内でもまったく同じように働くのです。
このようなホルモンは、英語では「Bio-identical Hormone(生体にきちんと認識されるホルモン)」と呼ばれています。
これを私は「自然なホルモン」または「ナチュラルホルモン」と呼んでいます。

当然ながら自然なホルモンは、人工合成ホルモン(ホルモン剤)よりも、人体にとって受け入れやすいことはいうまでもありません。

現在、私はホルモン治療を行なうのであれば、副作用がなく安全で、本来の目的に即した治療効果を発揮してくれる「自然なホルモン」を使うことを、強くおすすめしています。

ただ、自然なホルモンであっても、使い方を誤ると、副作用を伴うことがあります。
自然なホルモンであっても、過剰な摂取や少なすぎる摂取は、目的の作用が得られないばかりか、本来のホルモン分泌機能を低下させることもあります。
このため、経験豊富な医師または専門家の管理の下で、ホルモン値の変化を把握しながら厳密に使用する必要があります。
また、自然なホルモンは、処方箋なしで購入できるようなものではなく、薬剤師が処方するホルモン含有量が安定した質の高いものでなければなりません。

私は臨床経験より、自然なホルモンであっても「適切なタイミングで、適切なバランスで、適切なホルモンを補充することではじめて目的とする効果が現れる」と考えています。

また、さまざまなホルモン分泌機能を低下させる原因には、重金属の蓄積や食物アレルギー、栄養欠損による代謝異常など多様な原因があるので、総合的な治療が必要となります。

図1 自然なホルモンと人工合成ホルモンの比較

自然なホルモンと人工合成ホルモンの比較

例:自然なプロゲステロンと人工合成のプロベラの違い

線維筋痛症治療でよく使われる自然なホルモン
DHEA
甲状腺ホルモン
テストステロン(男性ホルモン)
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)

場合により、エストロゲンやプロゲステロン、メラトニン、アルドステロン、成長ホルモンなども用いる

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ビタミンD欠乏症 - 新たなる文明病 -

タミンDにはビタミンの名前がついていますが、実際には体内でホルモンに近い働きをしている物質であることが、最近の研究によって明らかになっています。
人間にとってビタミンDは、成長や健康な体の維持に、生まれる前から死ぬまでの間、非常に重要です。
先進国ではビタミンD欠乏症は疫病のように蔓延していると云われており、数多くの疾病との関連が指摘されています。

ビタミンDの古典的な働きには以下のものがあります。

上記のように、カルシウムの代謝、骨量を維持するという働きをしています。
しかし、骨以外にも体内のあらゆる臓器がビタミンDを利用することがわかっています。

ビタミンDを利用する臓器
骨・腸管・乳腺・前立腺・肺・皮膚・リンパ節・大腸・すい臓・副腎皮質・脳 など

そして最近の研究により以下のようなことが明らかになっています。

ビタミンDは、日光暴露により、皮膚でコレステロールより生産されます。さらに、肝臓で25-OHビタミンDに変換され、腎臓ではさらに1,25(OH)₂ビタミンDとなり、種々の疾患の予防や治癒に効果を及ぼしています。

以下の種々の疾患がビタミンD欠乏と関連があるといわれています。

ビタミンD欠乏と関連する、または関連が疑われる疾患
易感染症・心血管系疾患・高血圧・糖尿病・骨粗鬆症・多発性硬化症・うつ病・精神疾患・てんかん・偏頭痛・脳卒中・多嚢胞性卵巣症候群・筋骨格系疼痛・自己免疫疾患・炎症性疾患・炎症性腸疾患・がん・繊維筋痛症・自閉症・新生児の先天異常・歯周病・黄班変性症・悪性黒色腫・インフルエンザ・尋常性乾癬・痛風・耳硬化症・間質性ぼうこう炎・呼吸器低下・血栓症・慢性腎不全・ヘモクロマトーシス・胃腸疾患 など

例えば、以下のようなことも明らかになっています。

血中25‐OHビタミンDが25 ng/ml以下で、以下の疾患をふたつ以上有する病態を、ビタミンD欠乏症候群(Vitamin D Deficiency Syndrome : VDDS)と呼ぶことが提案されています。(ビタミンDカウンシル http://www.vitamindcouncil.org/ による。)
それらとは、骨粗鬆症・心疾患・高血圧・自己免疫疾患・いくつかのがん・うつ・慢性疲労または慢性疼痛、です。

上記の疾患の原因はビタミンD欠乏症だけではありませんが、ビタミンDを補うことにより治療効果が期待できます。

ビタミンD欠乏症の診断は、血中25‐OHビタミンD濃度を測定します。
(1α、25‐OHビタミンDの測定には、診断価値はありません)

血中25-OHビタミンD濃度 評価
20 ng/ml以下 欠乏
20 ng/ml以下 欠乏
40 ng/ml以下 理想的
80 ng/ml以上 過剰

ビタミンD欠乏症の治療には、以下の三つがあります。

ビタミンD欠乏症の治療の副作用として、以下のことが起こりえます。

以上のような副作用を引き起こす場合があるため、治療中は血中25‐OHビタミンD濃度やカルシウム濃度の測定が必要となります。

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食物アレルギー

メリカでは、難病の治療の際の重要ポイントのひとつに食物アレルギーがあげられており、50年以上に及ぶ「食物アレルギーと難病の関係」についての調査研究が行なわれています。
そして線維筋痛症も食物アレルギーとの関連性が深い病気のひとつであることが指摘されています。

たとえば22人のリウマチ性関節炎の患者さんに、アレルギー除去食(アレルギーの原因となる食物を取り除いた食事)を実行させたときに、91パーセントの患者さんに関節炎の症状に改善が見られたという報告があります。また、86パーセントの患者さんで、その原因となる食物の多くは穀物や乳製品だったことがわかりました。

食物アレルギーと関節炎の関連性について、70人のリウマチ性関節炎を患っている患者さんを対象に行なった別の調査によると、下記のように食物アレルギーが関節炎を引き起こしやすいことが報告されています。

とうもろこし56パーセント
小麦54パーセント
豚肉39パーセント
オレンジ39パーセント
牛乳、オート麦37パーセント
ライ麦34パーセント
卵、牛肉、コーヒー32パーセント

出典 Overcoming Arthritis by David Brounstein,M.D

この調査に協力した患者様に、食物アレルギーが原因で不快な症状を引き起こす食物を除いた食事を続けてもらった結果、1年半から5年で、19パーセントの患者さんに薬物治療の必要がなくなったという報告があります。

このように、食物アレルギーがリウマチ性疾患のひとつである線維筋痛症の原因ではないか、確かめる必要があります。私の経験では、穀物や乳製品でアレルギーを引き起こしているケースが多いと感じています。

この場合問題となるのは、日本でもよく行われている即時型アレルギー(IgE)ではなく、遅延型アレルギー(IgG)です。
IgG抗体検査は日本で行われていないため、当院では採血した血清をアメリカのラボに送り、解析を依頼します。

当院での食物アレルギー検査
88種類の食物に対するIgG抗体
19種類の食物に対するIgE抗体
総IgE

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腸内環境の悪化

内環境の悪化が、線維筋痛症の発症に関係している可能性があります。
原因として、腸内の善玉菌の低下と悪玉菌の増加、また腸のバリア機能の低下により、以下のことが起こりえます。

この場合、腸内環境を整えることが症状の改善につながります。

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細菌・ウィルスによる感染症

上の1〜5までのさまざま条件が、患者様の免疫力を低下させ、自然治癒力の低下をまねきます。
その結果起こりうることは、細菌やウィルスなどに対する抵抗力が非常に低下してしまうと言うことです。
これは過剰な免疫反応を引き起こし、線維筋痛症の症状を起こす原因となりえるのです。

みなさんは線維筋痛症を発症させる原因の一つが感染症である、というとびっくりされることでしょう。

感染症が原因になっている可能性のある病気

線維筋痛症は、自己免疫疾患のひとつに分類されます。自己免疫疾患とは、免疫系が異物に対してではなく、自分自身の組織を攻撃してしまい、炎症や組織損傷を引き起こしているのです。文字通り、自分で自分を破壊しているのです。
しかし、線維筋痛症などの自己免疫疾患の病態のメカニズムは、違うところにあるかもしれません。
アメリカのミシガン州で統合医療を実践するブラウンスタイン博士の「擬態分子論」という考え方によると、感染症細菌にはヒトの構造に非常によく似ているものがあるといいます。 例えば関節リウマチの場合、細菌性微生物の構造は、ヒトの関節内部組織と非常に似通っているのです。免疫系は、細菌や微生物に対して抗体をつくって攻撃するのですが、その細菌や微生物と似た構造の関節内部組織も一緒に攻撃してしまいます。その結果、関節が破壊されたり、炎症が起こったりするわけです。
このように関節リウマチや線維筋痛症などの自己免疫疾患と呼ばれる病態の原因には、やはり感染症が関与しているケースがたいへん多いと考えられます。実際に、そうした患者さんに抗生物質を使うことにより、症状は劇的に改善することも少なくありません。

私の場合は、時と場合によりますが、抗生物質の代わりに「二十一世紀の超抗生物質」といわれるオリーブ葉エキスを使用しています。抗生物質よりもより安全で、高い効果が期待できます。

また、ビタミンD欠乏はやはり易感染性を招き、種々の細菌やウィルス感染を引き起こします。血中ビタミンD濃度を測定の上、ビタミンD欠乏の補正をすることも、感染症に対する非常に有効な手段です。
詳しくはビタミンD欠乏をご覧ください。

次に述べるビタミンCの高濃度点滴療法も、感染症の治療として非常に有効です。

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慢性炎症による活性酸素ダメージ

維筋痛症には自己免疫疾患の一種という位置づけがありますが、自己免疫疾患では免疫の過剰な反応が誘発される結果、慢性的な炎症が起きている状態です。
これは関節リウマチで顕著ですが、慢性的な炎症は活性酸素を発生させ、活性酸素ダメージを引き起こします。
線維筋痛症でも、この活性酸素ダメージが病態に大きく影響していると考えられるケースがあります。

活性酸素は体内の生理的反応を傷害し、組織の修復に大きなダメージを与え、組織障害を引き起こします。
酸化した(錆びた)タン白質は機能を損ない、本来の働きを失ってしまうばかりか、変性したタン白質が次の自己免疫反応のターゲットとなり、さらに炎症が進むという悪循環におちいります。

活性酸素とはまわりを錆びさせてしまう「悪い」酸素のことです。
自己免疫であろうと細菌感染であろうと、炎症が起こるということは、そこで「火事」が起きているのと同じことです。
火事が起こると、そこには「煙(けむり)」が発生します。
よく火事のときに、実際に火にあたらなくても、煙を吸って重体になられる方がいらっしゃいますが、そのくらい煙というのは危険なものなのです。
活性酸素というのは、その「煙」にあたります。
炎症が起きているときにはかならず活性酸素が発生すると思ってください。

活性酸素は、正常な組織や様々な重要な機能(酵素反応や免疫活動など)を行っているタン白質を酸化させることで変性させ、正常に働かせなくしてしまいます。
たとえば酸化されたアルブミンはアルブミンとしての機能を果たせなくなり、その結果、薬剤や栄養素の効果の減弱や、薬剤の副作用が強くあらわれる、などの問題が起こります。

そればかりか酸化されたタン白質は、それ自体が非自己とみなされ、自己免疫のターゲットとなります。そしてさらに炎症が進みます。
これはまさに「酸化のドミノ倒し」ともいえる、非常によくない悪循環です。

線維筋痛症をはじめとする慢性疾患の治療を行うには、分子整合栄養医学にもとづいて関節の修復と機能回復のための栄養素を十分に補給することと、ホルモン補給などの他の原因に応じた対策をとること、そして活性酸素ダメージに対する対処が必要です。

活性酸素ダメージに対する対策、すなわち「抗酸化」対策も、栄養療法の一環となります。

一般的な抗酸化物質には以下のものがあります

などです。
これらの抗酸化物質を至適量(適した量)摂取していくことが重要です。

なかでも、「高濃度ビタミンC点滴療法」は、患者様によりますが、線維筋痛症の治療において効果が現れやすい治療法のひとつといえます。

活性酸素ダメージが強い場合、ビタミンCの内服のみでは活性酸素の消去がなかなか追いつかない場合が多いですが、点滴で大量に(1回25~100グラム)投与することで、血中の活性酸素を一時的にほぼゼロの状態にすることができます。

しかしビタミンC自体はすぐに血液中から消えてしまうので、効果を期待するためには週1〜2回の点滴をある程度継続的に行うことがすすめられます。

また、ビタミンCは副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を産生するための必須栄養素であるため、高濃度ビタミンC点滴療法には副腎機能低下を改善する効果が期待できます。

高濃度ビタミンC点滴療法は、現在がんの代替療法として注目を浴びていますが、非常に安全性が高いことが確認されています。
この場合点滴だけでなく、内服での栄養療法をしっかり行うことが重要であることはいうまでもありません。

漢方薬で線維筋痛症を治療する

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